雨樋とは、屋根から流れる雨水を地上や下水に排水する筒状の建材です。
雨樋がないと外壁に雨水が当たり、雨染みなどの汚れやひび割れからの雨水の浸入などが発生してしまいます。
このように、雨樋の不備がみられると外壁やお家の内部への悪影響に繋がるため、雨樋はお家を守る役割の1つとなっています。
雨樋には多くの部材が存在します。よく名称を使用する部材について簡単にご紹介します。
軒樋は屋根の軒先についており、屋根からの雨水の受け皿になる横向きの樋です。
集水器とは、軒樋と竪樋のつなぎ目であり、軒樋の雨水が集まる箇所です。
上合(じょうごう)とも呼ばれます。
竪樋とは、集水器に集まった雨水を地上や下水に排水する縦向きの樋です。
雨樋の素材には、塩化ビニール樹脂・スチール・ガルバリウム鋼板・銅など様々なバリエーションがあります。素材の特徴に関してご紹介します。
軽量のため施工がしやすく、金属のような錆びの付着はありません。安価なため幅広く使用されています。
紫外線や熱などの影響で、変形しやすいため、外壁と屋根のメンテナンスの際に合わせてメンテナンスが必要です。
腐食しない樹脂で覆われているので錆びにくく、それでいてスチールの強さを併せ持った耐久性のある素材になります。
金属製の樋で、メッキ層で保護されているため、錆びにくくなっています。金属製の樋の中では安価な商品です。
錆びにくい素材ですが、メンテナンスが必要なため、外壁と屋根のメンテナンスの際に合わせてメンテナンスが必要です。
神社や寺などの樋に使用されているのが銅です。銅は金属の中では軽量で加工がしやすく、サビにくいというメリットがあります。
銅は経年とともに「緑青(ろくしょう)」という青緑色のサビが現れてしまいますが、緑青により表面の酸化を防ぐ酸化被膜ができるため、銅板自体が腐食することはなく、塗膜で保護する必要はありません。
今回はSAKURAで多く施工をしている、塩化ビニール樹脂の雨樋の劣化と補修に関してご紹介します。
雨樋付近に木や森林があると落ち葉が溜まりやすくなります。
また、雨水と一緒に土や泥などの汚れが屋根から流れ、そこに日が当たって乾き固まることで汚れが溜まってしまいます。汚れが溜まってしまうと雨水をせき止め、詰まりやオーバーフローの原因に繋がります。
木や森林近くにお住まいのお客様には、落ち葉を弾き雨水を通す「落ち葉除けネット」をオススメさせていただきます。詰まりが起こった場合は、雨樋の洗管工事を行うことで汚れを流し切り、詰まりを解消します。
雨樋は紫外線や熱などの影響で、熱変形する可能性があります。
軒樋が熱変形すると雨水が流れる勾配が取れなくなり、逆勾配となって雨水が溜まりオーバーフローを起こす恐れがあります。
変形前に塗装でのメンテナンスをオススメさせていただいています。変形した場合は、雨樋の交換を行うことで、必要な勾配を取らせていただきます。
塩化ビニール樹脂の雨樋は、自然災害(地震や強風)または外部からの衝撃(飛来物や車などの接触)で破損する可能性があります。
破損していると雨水がきっちりと排水されず、地面に水たまりができる原因となってしまいます。
雨樋は破損した箇所の部分交換を行うことが可能なため、部分補修で元通りにできます。
雨樋の修理費用は、1mあたり3,600円~が相場です。一般的な戸建て住宅の場合は30万~40万程度となります。
費用は劣化状況や素材などによって変動します。
住宅業界で雨樋を扱っている会社は多くあります。その中で2社ご紹介させていただきます。
パナソニックは、住宅に関するさまざまな製品を扱っている業界大手企業の1つであり、高品質な製品を販売しています。
パナソニックの雨樋では「アイアン」が主要製品です。アイアンは亜鉛処理したスチールを塩化ビニール樹脂で覆った製品で、パナソニックの特許品でありほとんどの商品に使用されています。
腐食しない優れた耐久性というプラスチックの特性と、スチールの強度を合わせもつ高品質な雨樋になります。
画像引用:https://sumai.panasonic.jp/amatoi/sp/
タキロンシーアイは住宅資材や建材、防災関連を扱っており、合成樹脂の成形加工を幅広く展開している業界大手企業の1つです。
タキロンシーアイの雨樋では「ジェットライン」が主要製品です。ジェットラインは排水能力が高く、縦樋の本数を大幅に減らせるようになりました。
景観をすっきり見せられ、お家の見た目にこだわりたい方におすすめです。
雨樋の劣化や破損は、外壁を傷める原因になってしまったり、雨漏りの発生などに繋がります。また、雨樋から勢いよく溢れ出した雨が跳ねて、周囲が汚れるといったトラブルに発展する可能性もあります。
そのため、問題が起こる前に早めにメンテナンスを行い、正常に雨水が流れて行くようにすることが大切です。
雨樋の破損は建物全体の美観を損なうことにもなりますので、何か異常を見つけた際はぜひお気軽に弊社までご相談ください。