田所 宏一
コロニアルクァッドは、ケイミュー株式会社が販売している屋根材の1つで、スレート屋根材の代表的な商品として多くの住宅に採用されています。
低価格でデザイン性の高いコロニアルクァッドは、コストパフォーマンスの高さからも人気のある屋根材です。
コロニアルとは、ケイミュー株式会社が販売しているスレート屋根の商品名で、前身企業であるクボタ松下電工が1961年に「カラーベストコロニアル」という名称で販売を開始しました。
コロニアルは、スレート屋根の中でも特に広く普及したことから、今ではスレート屋根の代名詞として「カラーベスト」や「コロニアル」という単語がスレート屋根という意味でも使われています。
発売当時は、耐久性を確保するための繊維素材として、保湿性・耐熱性の高いアスベストが使用されていましたが、健康被害の問題を受けてアスベストを含まない製品が販売されるようになりました。
そして、2004年に1%以上、2006年には0.1%以上アスベストを含む製品の生産・販売が禁止されたため、現行品にアスベストが含まれていることはありません。現在は、繊維素材としてアスベストに代わる素材が使用されています。
コロニアルクァッドとは、セメントと繊維質を混ぜ合わせ薄い板状に成形したスレート屋根材のことで、ケイミュー株式会社から製造・販売されている「カラーベスト」というブランドの中の1商品です。
カラーベストには、「プレミアムグラッサ」「遮熱グラッサ」「グラッサ」「コロニアルクァッド」の4つのシリーズがあり、コロニアルクァッドは4シリーズの中でも、もっともスタンダードな屋根材です。
建物は重量が重いほど地震時の揺れが大きくなり、上部が重ければ振り子のようにさらに揺れが増大して建物に負担をかけてしまいます。
コロニアルクァッドは、1坪あたりの重さが約68〜81Kgと非常に軽い素材なため、約140㎏もの重さがある陶器瓦と比べて約1/2以下と非常に軽量です。
そのため、屋根にコロニアルクァッドを使用することで、建物全体の重量が軽減でき重心も低く抑えられるので、地震の揺れを軽減することができます。
コロニアルクァッドは、屋根材1枚1枚を4本の釘でしっかりと固定するため、強風に晒されたとしてもズレたり飛散しにくいという特徴があります。
また、屋根材の一重部分がほとんどない大きな重なりで雨水の浸入を防ぎ、屋根材の中に雨水が侵入しても下葺材がそれ以上雨水が侵入するのを防ぐ二重の防水設計となっているため、大雨でも雨漏りしにくい構造になっています。
コロニアルクァッドの基材には、主原料となるセメントにパルプ繊維とシリカ粒子、パルプ繊維の補強効果を高めるための超微粒子が配合されていることで、長期間安定した強さを保つことができます。
また、製造時に一般的なスレート屋根材に比べて、非常に少ない水分で形成され、高温高圧の蒸気がま(オートクレーブ)を使用したオートクレーブ養生という工程が加えられることで、高密度で均一な構造を実現しています。
基材が高密度で均一な構造に作られているからこそ、吸水性が低く、乾燥や湿潤の繰り返しや温度変化による影響も受けにくいため、場所や地域を選ばずに安定した性能を発揮することができるのです。
コロニアルクァッドは、重なりが大きくなるよう設置されていることで屋根材の厚みが増すため、外からの音の伝わりにくいという特徴があります。
また、音響透過損失試験の結果からも、遮音性の高い陶器瓦とほぼ同等と高い遮音性が確認されています。
コロニアルクァッドは、基材の表面に無機顔料を混合した「無機化粧層」と細かい石に釉薬加工を施した「無機彩石層」の2層構造となっており、さらにトップコートには高耐候アクリルコートが採用されています。
そのため、万が一トップコートが劣化しても、その下の耐候性の高い無機2層構造によって色あせを抑えることができます。
コロニアルクァッドは、カラーベストシリーズの中で最もスタンダードでリーズナブルな商品です。
その他上位シリーズとして、「プレミアムグラッサ」「遮熱グラッサ」「グラッサ」の3商品がラインナップされています。コロニアルクァッドのカラーバリエーションは以下の通りです。
コロニアルクァッドは軽量な屋根材です。軽量な屋根材であれば建物にかかる負荷も最小限に抑えられ、耐震性の向上にも繋がるメリットがあります。
さらに、強風による飛散が起こりにくく、二重の防水設計で漏水もしにくい構造となっているため、長期にわたって良い状態を保つことが可能です。
その他にも割れにくい特徴や雨音が響きにくいなどのメリットもあり、多くの建物で採用されています。
コロニアルへの屋根リフォームをご検討中の方や質問等がございましたら、お気軽に弊社まででご相談ください。