田所 宏一
スーパーガルテクトは、アイジー工業株式会社から販売されている金属屋根材です。
世界有数の地震大国である日本では、軽量で耐震性の高い金属屋根材で屋根リフォームが近年のシェアを占めており、その中でもスーパーガルテクトは、遮熱性と断熱性も兼ね備えた高耐久な屋根材として注目を集めています。
スーパーガルテクトは、アイジールーフというブランドの1シリーズで、金属建材のトップメーカーであるアイジー工業株式会社が販売している国産の金属屋根材です。
屋根材と断熱材が一体化された独自の材料構成で、軽量かつ優れた遮熱性や断熱性を発揮します。さらに、表面材にはサビに強い超高耐久ガルバが採用されているため、沿岸地域でも安心して使用することができます。
スーパーガルテクトには、遮熱性ポリエステル樹脂を塗装した「スーパーガルテクト」、コンパクトサイズで手狭な現場でも施工しやすい「スーパーガルテクトC」、遮熱性フッ素樹脂を塗装した「スーパーガルテクトフッ素」の3種類があります。
今回はSAKURAでも屋根リフォームの際にご提案させていただいている「スーパーガルテクト」についてご紹介いたします。
一般的なガルバリウム鋼板は、鉄板にアルミニウム・亜鉛・シリコンでメッキされた金属になります。
スーパーガルテクトに採用されている「超高耐久ガルバ」は、ガルバリウム鋼板のメッキ層にマグネシウムを2%添加したもので、従来のガルバリウム鋼板のめっき層より約1.25倍もの厚みがあり、3倍超の寿命が期待できるとされています。
メッキとは、金属などの表面に薄い金属の膜を作る表面処理の一種のことです。
ガルバリウム鋼板では、メッキ層に含まれる亜鉛の「犠牲防食作用」によって、表面に傷がついて素地の鋼板が露出したとしても、鉄がサビる前に亜鉛が優先的に溶け出して保護被膜となって素地を保護します。
高耐久ガルバは、マグネシウムを添加したことで、より緻密で水に溶けにくい保護被膜を形成することができ、「犠牲防食作用」が長期にわたり確保されることによって、特に切断端部やキズ部で高い耐久性をします。
また、スーパーガルテクトのメッキ層に含まれるアルミニウム、亜鉛、マグネシウムが最もバランスよく機能するよう構成されているため、沿岸地域などの厳しい環境下でも優れた耐久性を維持することが可能です。
スーパーガルテクトシリーズでは、「遮熱性フッ素樹脂塗装」か「遮熱性ポリエステル樹脂塗装」の遮熱性塗料が表面に施されています。
太陽の中には、熱エネルギーに変換されやすい赤外線が約50%も含まれています。遮熱塗料は、この赤外線を効率良く反射する着色顔料が使用されているため、日射による屋根表面の温度上昇を抑制する効果が期待できます。
そしてこのような性能から、スーパーガルテクトあであれば空調コストを抑えながら快適空間を実現することが可能になります。屋根に当たる紫外線を反射し、室内への侵入熱も少なくなるため、室内が暑くなりにくく少ないエネルギーで快適空間を保つことができます。
さらに、断熱材の中でも優れた断熱性能を持った「ポリイソシアヌレートフォーム」がしん材に採用され、複雑なかん合部(はめ合わせ部)までしっかりと充填されていることで、屋根裏への熱の侵入を防ぐことができます。
金属製の屋根材でありながらも和瓦やスレート屋根よりも熱を通しにくく、熱の伝えやすさを表す熱貫流率は和瓦1.96w/㎡、カラーベスト2.2w/㎡のところ、スーパーガルテクトは1.43w/㎡と高い断熱効果を発揮しています。
スーパーガルテクトは、1㎡あたり5Kgと超軽量な屋根材で、和瓦屋根と比べて約1/10まで重量を抑えることができるので、建物にかかる負担を軽減することができます。
非常に軽量なため、既存の屋根を撤去せずにそのまま上から被せる「カバー工法」によるリフォームにも最適な屋根材です。
さらに金属製のため、地震時の割れや崩れなどの心配がなく、地震大国と呼ばれる日本のお家に合った屋根材です。災害対策としても使用される他にも、施工しやすく高耐久なため、台⾵や地震発⽣後の災害復旧にも使用されています。
建物は、重量が重いほど建物の負担は増えて、地震時に大きく揺れてしまいます。また、上部が重いほど重心は高くなり振り子のように大きく揺れてしまうため、建物の柱や躯体にかかる負担も増大してしまいます。
そのため、軽量なスーパーガルテクトを使用して建物上部の重量を軽くすることで、重心位置が低くなって地震時の揺れ幅を小さくすることができます。揺れ幅を小さくすることで、建物の負担も最小限に抑えることができます。
スーパーガルテクトは薄い金属板と断熱材が一体化した構造のため、一般的な金属屋根に比べて遮音性に優れているという特徴があります。
一般的な金属屋根では、雨が当たると大きな音が室内まで響いてしまいますが、断熱材としてポリイソシアヌレートフォームというプラスチックの発泡体を屋根材と一体化させることで、非常に優れた遮音性を発揮します。
実際の屋根を再現した模型に人工降雨機で雨を降らせて行った実験結果では、、雨量106mm/hの豪雨でも雨音はささやき程度の雨音に低減したという結果が出ています。(天井は厚さ9mmの石膏ボード、グラスウールマット25mm使用時)
スーパーガルテクトは非常に軽量な屋根材ですが、一般財団法人建材試験センター中央試験所で実施された耐強風実験では、最大⾵速65m/sの強⾵を3分間当てても飛散しなかったという結果が出ています。
気象庁では、最大風速によって台風の強さを区別していますが、最大クラスに位置付けられる「猛烈な台風」の最大風速は54m/s以上とされているので、近年増加している大型台風でも安全性が期待できます。
また、本体同士の横ジョイント部に排水機構とリブ付き折り返しが設けられたことで、雨水の侵入を防ぎ雨漏りしにくいよう設計されています。
スーパーガルテクトシリーズには、以下の3商品がラインナップされています。
スーパーガルテクトフッ素は、表面に耐候性に優れた遮熱性フッ素樹脂塗装が採用された、シリーズ最高級グレードの屋根材です。
遮熱性フッ素樹脂塗装とエポキシ樹脂塗装の3層構造で形成されたことによって、耐久性が高く色褪せしにくいのが特徴です。スーパーガルテクトシリーズで唯一、塗膜変褪色に対して20年の製品保証が付けられています。
スーパーガルテクトは、表面に遮熱性ポリエステル樹脂塗装が採用されており、スーパーガルテクトシリーズでは標準仕様の屋根材です。
カラー展開も豊富で、仕上げ塗装に採用された特殊なちぢみ塗装ならではの、高級感のある質感やデザインも特徴です。
スーパーガルテクトCは、表面に遮熱性ポリエステル樹脂塗装が採用されており、基本性能はスーパーガルテクトと同じです。
スーパーガルテクトの全長を短くしたコンパクトモデルで、手狭な現場でも扱いやすいのが特徴の屋根材です。
スーパーガルテクトシリーズでは、耐久性の高い超高耐久ガルバが採用されたことで、⾚さび20年、⽳あき25年など長期保証が実現された屋根材です。
また、一般的な屋根材の保証の対象地域が海岸線から5km以上離れた地域なのに対して、スーパーガルテクトシリーズは海岸線から500m以遠と広範囲なため、幅広い地域で使用が可能です。
保証内容 | スーパーガルテクト フッ素 | スーパーガルテクト スーパーガルテクト C |
---|---|---|
塗膜の変褪色・塗膜の白亜化 | 20年 | – |
塗膜のひび・割れ・剥がれ・膨れ | 15年 | |
赤さび | 20年 |
カバー工法とは、古い屋根の上に軽い金属屋根を乗せる工法です。
防水シートと屋根材を新たに乗せることで塗装よりも長持ちし、葺き替え工事のように古い屋根の撤去費用が必要ないため、工事費用やランニングコストを抑えることができます。
また、新しい屋根の下に古い屋根があることで、二重での防水効果を発揮します。スーパーガルテクトを使用したカバー工法はSAKURAでも施工可能で、人気のある工法になります。
※瓦など施工不可な屋根材もあります。
葺き替えとは、古い屋根材を撤去して、新たな屋根材に張り替える工法です。
瓦などのカバー工法が行えない屋根材でも葺き替えをすることで、スーパーガルテクトをお家の屋根材として使用することができます。
屋根材を瓦からスーパーガルテクトに変えることで、災害に備えることができ、大切なお家を長持ちさせます。
スーパーガルテクトは高耐久・高耐食性を持ち合わせている屋根材です。さらに、遮熱・断熱性によって夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるメリットもあります。
また、軽量なので耐震性にも優れており、金属製でありながら遮音性が高いのも特徴です。
シリーズには「スーパーガルテクト フッ素」「スーパーガルテクト」「スーパーガルテクトC」の3種類あるため、お客様の要望や建物に適した屋根材を選ぶことができます。
さくらペイントはスーパーガルテクトシリーズの施工実績も豊富ですので、屋根リフォームをご検討中の方は、ぜひ弊社までご相談ください。