田所 宏一
コロニアル遮熱グラッサは、ケイミュー株式会社が販売している屋根材の1つで、太陽熱を反射する遮熱性能を備えたスレート屋根材です。
日本でも年々温暖化が進行し各地域で連日記録的な猛暑や異常気象が続いています。そのため、コロニアル遮熱グラッサの省エネ効果や室内の温度を下げる効果が期待できる遮熱機能が注目されている屋根材です。
コロニアルとは、もともとケイミュー株式会社の前身企業であるクボタ松下電工が、1961年に発売した「カラーベストコロニアル」というスレート屋根材の商品名です。
スレート屋根の中でも、コロニアルは特に高いシェアを占めたため今ではスレート屋根の代名詞として、スレート屋根そのものを「コロニアル」や「カラーベスト」と呼ぶようになりました。
発売当時から2000年以前までは、基材の耐久性を確保するために保湿性・耐熱性の高いアスベストが繊維素材として使用されていました。
しかし、アスベストは人体へ健康被害をもたらす危険性があることから、2004年に1%以上、2006年には0.1%以上のアスベストを含む製品の生産・販売が禁止されています。
そのため、現在は、アスベストに代わる繊維素材が使用されており、アスベストは含まれていません。
コロニアル遮熱グラッサは、セメントと繊維質を混ぜ合わせ薄い板状に成形したスレート屋根材のことで、ケイミュー株式会社から製造・販売されている「カラーベスト」というブランドの中の1商品です。
表面のトップコートに配合された特殊顔料によって、紫外線を反射し室内への熱の伝わりを抑えることで、快適性と省エネ効果を高める遮熱機能を備えた屋根材です。
コロニアル遮熱グラッサの効果は、「ヒートアイランド対策技術分野(建築物外皮による空調負荷低減等技術)」で実証されており、環境省環境技術実証マークを取得しています。
コロニアル遮熱グラッサの最大の特徴は、表面の特殊顔料による高い遮熱性能です。
特殊な赤外線反射顔料が配合されたことによって、太陽光の紫外線のみを大幅に反射させ、屋根材の蓄熱を抑えて表面温度の上昇率を抑制する効果が期待できます。
さらに、下地の野地板を2重にして通気層を設けた「2重野地板構造」の熱シャット工法と併用することで、さらに高い効果を得ることが可能です。
建物は重量が重いほど建物の負担が増え、地震時の揺れが大きくなってしまいます。上部が重いほど振り子のようにさらに揺れが増大して建物に負担をかけてしまいます。
コロニアル遮熱グラッサは、1坪あたりの重さが約68Kgと非常に軽い素材なため、約140㎏もの重さがある陶器瓦と比べると、屋根を約1/2以下の重量に抑えることができます。
建物全体の重量が軽減されることで重心も低くなるため、地震時の揺れも軽減することが可能です。
コロニアル遮熱グラッサは、屋根材1枚1枚を4本の釘でしっかりと固定する釘留め方式のため、強風に晒されたとしてもズレや飛散を最小限に抑えます。
また、屋根材同士の重なりを大きくすることで内部に雨水が入り込むのを防ぎ、万が一屋根材の中に雨水が侵入しても下葺材が野地板への浸水を防ぐ二次防水設計となっています。
防水試験でも、耐風試験でもその高い性能が確認されています。
コロニアル遮熱グラッサの基材には、主原料となるセメントにパルプ繊維とシリカ粒子の他に、パルプ繊維の補強効果を高めるための超微粒子が配合されています。様々な材料の組み合わせによって屋根の強度を高めています。
また、製造時に一般的なスレート屋根材よりも非常に少ない水分で形成され、高温高圧の蒸気がま(オートクレーブ)を使用したオートクレーブ養生という工程が加えられています。
このケイミュー独自の製法によって高密度で均一に仕上げられた基材は、吸水率や含水率が低く乾燥湿潤の繰り返しや温度変化による影響も受けにくいという特徴があります。
そのため、基材の反りやあばれ、伸縮などの症状が起こりにくく、場所や地域などによる制約が少なく安定した性能を長期間発揮することができるのです。
コロニアル遮熱グラッサは、屋根材の重なりが大きくなるよう設置されているため、屋根材に厚みが増し外からの音の伝わりにくいという特徴があります。
また、音響透過損失試験の結果からも、遮音性は陶器瓦とほぼ同等という結果が確認されています。
基材の表面には、グラッサコートと呼ばれるケイミュー独自の無機コーティングが採用されています。
グラッサコートは紫外線の影響を受けにくく、屋根材の鮮やかな色や光沢を長期間キープすることができるので、メンテナンスの頻度を抑えることが可能です。
短期間で長期の耐候性を調べる「超促進耐候性試験(メタルウェザー試験)では、30年相当でも経年劣化や褪色が目視では確認できないという結果が出ています。
コロニアル遮熱グラッサは、カラーベストシリーズの中でも遮熱機能に特化した商品です。
その他のシリーズとして、「プレミアムグラッサ」「コロニアルクァッド」「グラッサ」の3商品がラインナップされています。コロニアル遮熱グラッサのカラーバリエーションは以下の通りです。
コロニアル遮熱グラッサは、通常のコロニアルクァッドに遮熱性を加えたタイプです。
太陽の熱を反射する効果を持っており、その働きにより夏場の室内温度の上昇を抑えられ、快適に過ごすことが可能になります。また、エアコンの使用量も削減できれば、電気代の低減や省エネ対策にも繋がります。
遮熱機能を備えた屋根材かつ軽量で、防水性や遮音性に優れており、丈夫で割れにくいスレート屋根をご希望の方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。