日本瓦は、 粘土を焼き固めて作られた日本独自の形状・デザインを持つ瓦です。和瓦とも呼ばれ、住宅、神社、お寺などの和風建築に多く採用されてきました。
日本瓦には「釉薬瓦」と「いぶし瓦」の2種類あります。
釉薬瓦は「陶器瓦」とも言われており、瓦表面にガラス質の釉薬を施したもので、光沢のある表面と美しい色合いが魅力です。色あせしにくいメリットもあり、長期にわたって美観を保つことができます。
いぶし瓦は、瓦を窯でいぶして作り上げるもので、独特の灰色が特徴的な瓦です。
瓦をいぶすことで表面に炭素膜が作られ、これによって素焼きの粘土瓦に比べると耐久性が向上します。ただ、素焼き瓦よりも少し重くなります。
日本瓦は非常に耐久性に優れており、定期的なメンテナンスを実施すれば100年以上持つと言われています。
日本瓦は、瓦自体の防水性が高いため、塗装によるメンテナンスは必要ありません。ただし、瓦を長持ちさせるためにも、定期的な点検や補修は必要です。
また、日本瓦は塗装をしても剥離する可能性があり、屋根全体の美観が損なわれてしまう場合もあります。
日本瓦は、日本の伝統的な家屋や和風な住宅と相性がピッタリです。高級感や重厚感、伝統美が感じられ、落ち着いた雰囲気になります。
和のテイストを取り入れたい方は、和風建築の美しさを際立たせる和瓦が適しています。
日本瓦は空気の層が作られるため、夏場は屋根裏の熱を逃がしやすく、室内温度の上昇を抑えることが可能です。さらに、冬は熱を逃がしにくいため、1年を通して快適な生活を実現できます。
また、瓦の厚みと構造によって遮音性が高まり、雨音などの騒音を軽減できるメリットもあります。
日本瓦を使用している屋根は、1㎡あたり約50㎏の重量になります。これはスレート屋根の2倍以上、ガルバリウム鋼板の10倍の重さです。
屋根の重量が増えると建物への負荷が大きくなり、耐震性にも影響を及ぼします。そのため、地震が多い日本では、耐震性の面から重量のある日本瓦を避ける方も増えてきています。
また、新築やリフォーム時に、建物の構造計算や補強が必要になるケースもあります。
日本瓦は他の屋根材と比べて、初期費用が高額です。材料費だけでなく、施工に手間がかかるのも高額になる理由の一つです。
ただ、耐用年数は長いため、長期的にみればコストパフォーマンスが良いと言えるかもしれません。
日本瓦は耐久性の高い屋根材ですが、地震や台風などで飛来物が当たると瓦のズレや割れを引き起こしてしまいます。
ズレや割れを放置していると、その隙間から雨水が内部に浸入して下地の腐食や雨漏りに発展する恐れがあるため、不具合が生じた場合は早めに対処することが大切です。
瓦屋根の場合は、瓦一枚から交換が可能なので、劣化や破損した瓦のみを新しいものに差し替えれば補修ができます。
差し替えにかかる費用は施工範囲や足場の有無によっても変動しますが、軽度であれば1万円~5万円程、劣化状況などによっては15万円~20万円程するケースもあります。
棟瓦取り直し工事とは、屋根の一番高い位置に取り付けられている棟瓦を解体して、再度瓦を積み直す工事のことです。下地や漆喰の劣化が進み、棟瓦のズレや歪みが起きている場合に行います。
棟瓦取り直し工事の費用は、1mあたり10,000円~17,000円が相場で、一般的な戸建て住宅では20万円前後かかります。
葺き直しとは、瓦を全て取り外した後に下地や防水シートを新しいものに交換し、そして取り外した瓦を元に戻す工事のことです。
日本瓦は耐久性に優れていますが、下地や防水シートなどは確実に劣化していきます。そのため、定期的に葺き直しを実施し、下地材や防水シートを新しいものに交換する必要があります。
葺き直しにかかる費用は、一般的な住宅の場合で90万円~160万円程が相場です。
葺き替えとは、既存の屋根材を全て撤去して、新しい防水シートや屋根材に交換する工事のことです。
屋根全体を一新できるので、耐久性を復活させることができます。また、瓦屋根からスレート屋根やガルバリウム鋼板などに変えることで、建物の耐震性を向上させられる効果もあります。
葺き替えにかかる費用は新たに施工する屋根材によって変動し、一般的な住宅の場合で100万円~300万円程が相場となります。
瓦屋根に施工されている漆喰には、瓦を固定したり、雨水の浸入を防ぐ役割があります。
漆喰は紫外線や雨風などの影響によって劣化するため、時間の経過とともに漆喰の崩れや剥がれが現れます。さらに経年劣化が進行すると、瓦を支えるという漆喰としての役割が果たせなくなり、瓦の歪みや欠落などにも繋がってしまいます。
漆喰は15年程経過すると剥がれや崩れなどの劣化症状がみられるようになるため、定期的に専門業者へ点検やメンテナンスを依頼するようにしましょう。
日本瓦は耐久性が高く、メンテナンス不要と言われているため、安心されている方もいらっしゃるかもしれませんが、不具合が起こらないわけではありません。
地震や台風などの被害や経年的に起こる漆喰の劣化など、必要な箇所をしっかりとメンテナンスを行うことで、お家を長持ちさせ、安心して暮らすことができます。
屋根の状態によって処置やその後の工事も変わるため、SAKURAでは事前に調査を行い最適な工事のご提案をさせていただきます。
もちろん現地調査は無料で、工事のご提案やお見積までも無料となっておりますので、お気軽にご相談ください。