モニエル瓦は、一般的な瓦とは違う美観と高い耐久性を兼ね備えた屋根材として、多くの住宅で採用されています。
名前はフランスに起源を持つ製造会社モニエル社(Monier)に由来しており、同社が開発したセメントを主原料とした瓦になります。
欧州の伝統的な建築デザインに影響を受けつつ、日本国内でも気候条件に合わせて改良されてきたため、長年にわたり幅広い人気を誇っています。
モニエル瓦は、セメントを主成分としたコンクリート製で、非常に頑丈です。雨風や紫外線による劣化に強く、適切な塗装メンテナンスを行えば、長期間にわたりその美しさと性能を維持できます。
また、モニエル瓦は重さがあるため、台風などの強風にも強いという特徴があります。
モニエル瓦のもう一つの魅力は、そのデザイン性です。表面の形状や色彩は多様で、クラシカルなものからモダンなものまで、お家のスタイルに合わせた選択が可能です。
特に、ヨーロッパ風のデザインを採用したい場合には最適な屋根瓦となります。
セメント製のモニエル瓦は、熱や音を効果的に遮断する特性があります。
夏場の直射日光による屋内の温度上昇を抑えるだけでなく、雨音や外部の騒音を軽減する効果も期待できます。そのため、快適な居住空間を実現する助けとなります。
モニエル瓦は非常に耐久性が高い一方で、経年劣化によって表面が劣化し、色褪せや細かいひび割れが発生することがあります。
特に、日本のような湿気の多い地域では、苔やカビが発生しやすいです。適切なタイミングで塗装を行うことで、その寿命を延ばすことは可能です。
ただ、モニエル瓦は耐久性が高いとはいえ、メンテナンス時期を超えてしまうと塗装によるメンテナンスができなくなってしまいます。塗装ができなくなると、屋根の葺き替え工事になります。
モニエル瓦は一般的な屋根材よりも重いため、瓦の重さが耐震性に影響を与える可能性があります。
モニエル瓦は表面に塗装が施されている場合が多く、経年劣化により表面塗膜が捲れてきます。そのため、防水性や美観を維持するために、10~15年程度を目安に塗装工事を行うことをお勧めします。
塗装の際は、必ず専用塗料で塗装します。
まず下地調整にモニエル専用下塗り剤を使用し、必ず2回塗りしなければなりません。もし選定を誤った場合、塗料が屋根材に密着しにくく、剥離などの施工不良につながります。
次に、塗装前に瓦の表面を徹底的に清掃し、スラリー層を除去することが必要です。
スラリー層とは、モニエル瓦の表面をコーティングしている層のことを言います。主な役割としては、撥水性や紫外線などの劣化を防ぐ効果があります。
古いスラリー層を除去せずに塗装すると劣化したスラリー層と一緒に塗膜が剥がれてしまうため、高圧洗浄でも落としきれない場合は、ワイヤーブラシなどの表面を削る道具を使用します。
【注意点】
上記のように、モニエル瓦の塗装作業は下地処理だけでも守らないといけない手順がたくさんあり、高度な技術と知識を要します。そのため、モニエル瓦の仕様に詳しい信頼できる業者に工事を依頼することが大切です。
また、モニエル瓦は2010年に生産を中止しているため、差し替え工事が困難です。
別の屋根材に差し替えることは可能ですが、商品が代用品となり、美観性も損なわれてしまう可能性があるため、30~40年経過した場合は葺き替え工事をお勧めいたします。
セメント瓦とは、1970年代から1980年代にかけて流行したセメント製の屋根瓦です。
耐久年数は30~40年ほどあり、耐久性に優れています。陶器瓦と比べて非常に軽いため、自重で落ちてしまうことが少なく耐震性にも優れています。
しかし近年は、安価でより耐久性に優れた陶器瓦やガルバリウム鋼板などが選ばれるようになり、セメント瓦の生産は減りほとんどが廃盤となっています。
セメント瓦は、セメントと川砂を混ぜ合わせてできているため燃えにくい屋根材になります。耐火性に優れており、火事が起きた際に、住宅に炎が燃え広がるスピードを緩めてくれます。
セメント瓦は、様々な形状やカラーがあり、和風・洋風のデザインもあります。見た目を重視される方におすすめの屋根材です。
セメント製のモニエル瓦は、熱や音を効果的に遮断する特性があります。
夏場の直射日光による屋内の温度上昇を抑えるだけでなく、雨音や外部の騒音を軽減する効果も期待できます。そのため、快適な居住空間を実現する助けとなります。
セメント瓦は、衝撃に弱くひび割れしやすい屋根材です。台風などの際に飛来物が当たることで割れが起きやすくなります。
ひび割れが起こると雨漏りの原因となるため、注意が必要です。現在ほとんどが廃盤となっているため、割れた瓦の部分交換が難しくなっています。
セメント瓦は瓦ではありますが、和瓦のように塗装のメンテナンスが不要というわけではありません。
セメント瓦は、セメントの上に塗料が塗られているため、年数が経つと劣化し、色あせてしまいます。さらに劣化が進行するとコケが付着し、汚れが目立ちます。
セメント自体は雨水を吸い込んでしまうため、定期的に塗装工事を行い、塗膜で保護することが必要です。
塗装工事の際は、セメント瓦が重なりあった部分を切る「縁切り工法」が必要となります。縁切りを怠ると、雨漏りの原因となってしまいます。
【注意点】
セメント瓦は現在ではほとんど廃盤とされているため、破損が起こった際の交換が難しくなっています。
メンテナンスをお考えの方は、屋根の葺き替え工事も視野に入れていただければと思います。
モニエル瓦・セメント瓦のメンテナンスの際は、塗装工事はもちろんのこと、SAKURAではメンテナンス性や費用面に優れたガルバリウム鋼板やスレート屋根など、人気のある屋根材への葺き替え工事も承っております。
点検やお見積り、ご相談は無料で行っております。
SAKURAではお住まいに合った最適なご提案ができますので、いつでもお気軽にご相談ください。