軒天（のきてん）とは、屋根の先端部分の裏側を覆うパネルや板のことを指します。「軒裏」とも呼ばれ、建物の外観を整えるだけでなく、雨風や紫外線、虫の侵入などから住宅を守る役割があります。
また、軒天に通気口を設けることにより、屋根裏の湿気を外に逃がす働きもします。さらに、防火性の高い素材を使うことで、火災時の延焼を防ぐことも可能です。
外壁や屋根の隙間を塞ぐことで、内部の構造材が直接ダメージを受けにくくなり、結果として建物全体の耐久性向上にも繋がります。
軒天は見た目にはあまり目立たない部分にはなりますが、劣化すると様々な不具合を引き起こすため、定期的なメンテナンスが重要となります。
木質系の軒天には、合板やベニヤ板などがあります。
価格も安価で自然な風合いが魅力ですが、湿気や雨水に弱く、耐火性・耐久性も低いといったデメリットがあります。
ケイカル板とは、珪藻土や水酸化カルシウムなどを原料としたボードのことです。
近年主流となっており、不燃材なので火や湿気に強く、木質系に比べてカビやシロアリの心配も少ないのが特徴です。
価格も安めで、新築やリフォームでもよく使用されていますが、吸水性が高い素材のため、定期的にメンテナンスをして防水性を向上させる必要があります。
金属系の種類は、アルミやガルバリウム鋼板などがあります。耐久性や耐火性に優れており、軽量で施工性も良いのがメリットです。
ただ、傷がつくとサビの原因になったり、雨音が響きやすいといったデメリットもあります。
軒天は地面からの照り返しによる日光によって、色褪せや剥がれなどの経年劣化を引き起こします。
色褪せや汚れ程度であれば早急なメンテナンスは必要ありませんが、塗膜の剥がれやひび割れが発生している場合は、早めに塗り替えを行うことが大切です。
塗膜の劣化を放置していると、軒天自体の劣化が進行したり、雨水が浸透してしまうなどのトラブルに発展する可能性があります。
軒天にひび割れや穴あきといった破損がみられる場合は、早急なメンテナンスが必要です。劣化箇所から雨水が浸入する恐れがあります。
また、たわみやシミが起きている場合は、すでに雨漏りしていると考えられるため、専門業者に調査・修理を依頼するようにしましょう。雨漏りを放置していると、美観の低下だけでなく、建材の腐食や耐久性の低下などに繋がってしまいます。
木製の軒天の場合は、湿気や雨水が染み込みやすく腐食が進行しやすいため注意が必要です。濡れた状態をそのままにしていると、木材が腐ってしまったり、シロアリやカビが発生する恐れがあります。
腐食やシロアリなどは建物全体に大きなダメージを与えるので、大切なお家を守るためにも早急に対処することが重要です。
軒天は屋根と外壁の接合部を防御する大切な部分です。軒天が劣化して機能しなくなると、屋根裏や壁内部に雨水や虫・小動物が浸入しやすくなります。
雨漏りが続くと木材の腐食やカビ、シロアリ被害が起こり、家全体の寿命を大きく縮める要因になります。
また、小動物が天井裏に住み着いてしまうと、動物の尿などによってシミが出来たり異臭を発生させるケースもあります。
軒天の劣化は、外壁や屋根にも大きな影響を及ぼします。軒天の腐食やカビが建物全体に広がっていったり、軒天内部に雨が吹き込んで、外壁の中に雨水が入り込んでしまう可能性もあります。
部分的な劣化や破損であっても雨水は建物全体に回ってしまうケースもあるため、軒天の劣化だからと軽視していると危険です。
軒天の劣化は外観からでもわかりやすいため、家の美観を損ねることに繋がってしまいます。
不動産としての評価が下がることもあり、将来の売却や貸し出しを検討している方にとってはデメリットと言えます。
塗膜の色褪せや剥がれ程度の軽微な劣化であれば、塗り替えをによるメンテナンスが可能です。
塗装の際は材質によって適切な塗料選び、下地処理を行うことが大切です。例えば、木質系やケイカル板の場合は防腐塗料や防水塗料を使用したり、金属系の場合は錆をしっかり除去するなどの工程が必要となります。
軒天の一部分が割れていたり、穴が開いている場合などは部分的な補修を行います。
全面的な修理に比べて施工費を抑えることができますが、劣化が広範囲に広がっている場合は部分的な補修では対応できないケースもあります。
劣化が広範囲に及んでいたり、雨漏りが発生している、既存の軒天素材が古い場合などは、軒天全体の張り替えリフォームが必要です。
耐久性の高いケイカル板や金属系への交換も検討でき、長期的にはメンテナンスコストを抑える効果が期待できます。また、通気口の新設やデザインの変更も可能です。
軒天の修理費用は、1箇所あたり3万程度が相場です。ただし、軒天が高所にある場合は、別途足場代が必要になる可能性があります。
費用は施工範囲や工事内容、使用する材質などによって変動します。
軒天は雨漏りを防ぎ、外壁や屋根などの建材を守る役割を果たしています。
あまり注目してみる部分ではないかと思いますが、劣化を放置していると様々な問題に発展するため、定期的な点検・メンテナンスが大切です。
塗装の剥がれや破損などがみられる場合は、ぜひ弊社までご相談ください。建物に適した軒天修理をご提案いたします。
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